<rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>寄稿 | log</title><link>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/categories/4899307</link><description>寄稿の一覧</description><atom:link href="https://smaltshobo.themedia.jp/rss.xml?categoryId=4899307" rel="self" type="application/rss+xml"></atom:link><atom:link href="http://pubsubhubbub.appspot.com/" rel="hub"></atom:link><item><title>書の鑑賞</title><link>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20300737</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;ワビサビ。プロフ捏造企画。燎が最近ハマっていること:書の鑑賞。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;モブ女視点(恋愛要素なし)。着物設定をお借りしました。ありがとうございました。&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　最後の書を見納め、私は深呼吸をした。微かな墨の匂いが胸の奥に染み込んでいく。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ここにいるのは今や私と男性一人だけ。名残惜しいがそろそろ帰らないと、お夕飯の支度に間に合わない。私はハンドバッグを両手で握り直した。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「堂嶌くん？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　決して大きくはないが不思議と良く通る声だ。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;きゅっきゅっと絹鳴り(きぬなり)がして、明るい水色の髪と白い着物の肩口が視界の端をよぎり、消えていく。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　あの光沢と細かい柄。まさか。咄嗟に振り返って答えを確かめた私は、飛び出しそうになった言葉を手で押さえ付けた。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　白大島！！(しろおおしま)&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　あの感じ、亀甲……いや、蚊絣(かがすり)……？　男性の白大島なんて初めて見た。すごい……何マルキなのかしら……。ああ、もっと近くで見たい！&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　今度は心臓が暴れてしまいそうだ。私は口を塞いでいた手を離した。指先をきちんと揃えて胸に当て直し、もう一度深呼吸。敬愛する先生の展覧会で粗相があっては、書を嗜む者以前に大人の女性として失格だ。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「大和……？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　会場の奥にいた黒髪の男性が向き直る。白無地のワイシャツにチャコールグレーの細身のパンツ。首元にゆったりと巻かれた渋めの青いストールの下には黒い小さなボタンが点々と並んでいる。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「すみません、この格好だと気付きにくいですよね」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「いや、こちらこそすまない。大和がプライベートで着物を着るのは簡単に予想できたはずなのに。すっかり熱中してしまってたみたいだな」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　白シャツの方が堂嶌さんで、白大島の方は大和さんか。二人とも私よりずっと若く見える。年齢の割に高尚なご趣味だ。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「お好きなんですね」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　大和さんの言葉に、堂嶌さんは壁に掛かった書に目を向けた。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「きっかけは祖母の勧めだったんだ。初めは文字の形すら読み取れなくて困ったよ。でも、書も音楽に通じるものがあると気付いてからは楽しくなってきたな。自分で取り組むばかりでは視野が狭くなる。良い物に触れるのは……」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　しみじみとした語り口に大和さんは頷きながら相槌を打っている。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「すまない、また喋りすぎてしまった。俺は自覚している以上に好きなんだろうな、こういう物が。ただ……」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「どうかしましたか？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「大和の前でこういう話をするのは失礼だったかもしれない」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「君が礼節を欠いたところなんて、今まで一度も見たことありませんよ？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「それは買い被りだと思うが……ありがたく受け取っておくよ。実は今朝、祖母から着物を着て行けと勧められたんだが、断ってしまってな。申し訳ないことをしたとお前を見て思ったんだ」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;堂嶌さんは腕を組んだまま俯いた。黒くて長い前髪が表情を隠す。大和さんはそんな堂嶌さんに黙ったまま穏やかな眼差しを向けている。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;私は出入口の前から引き返して、二人から少し離れたソファに腰掛けた。先生の書を見上げると、少しだけ白大島が目に入る。私はハンドバッグを脇に置き、膝の上で両手を重ねた。伯母から譲り受けた着物に、母から貰った指輪。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「着物自体は好きなんだ。身も心も引き締まる。だがピアノを弾くにはどうしても袂の揺れが気になって落ち着かない」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「なるほど、君らしい。弘法筆を選ばずとはいかないものですね」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;温和な口調でゆったりと喋る大和さんに、堂嶌さんは俺は弘法にはなれないよと力なく笑って首を振った。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;堂嶌さんも着物がお好きだったのか。しかもピアノまで。多彩な人もいらっしゃるものだ。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「ですが今日は部活が休みですから着物でもいいのでは？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「それが、この後トモ達と楽器店に行く約束をしていてな。そうだ、大和も一緒にどうだ？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「いいですね。大所帯になりそうですが、それでも良ければお供させて下さい。その前に一周見ていっても？」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「もちろん。その間俺はトモに連絡しておこう」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　堂嶌さんは頷いてスマホを取り出した。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「ありがとうございます。感想を家族が待っているので」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「お互い何かと逆らいにくいな」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「そうですね」&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　大和さんは微笑んで奥へ歩き始めた。絹鳴りが少しずつ小さくなって、隣の書の前で止まった。堂嶌さんは反対側へ行き、隅の方で画面に指を走らせる。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;部活……ぶかつ？&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;目の前の書がぐにゃりと曲がる。私はくらくらする額にしばらく手の平を当ててから、ハンドバッグの持ち手を探り当て手首を通し、よろよろと席を立った。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;大和さんの帯を見るのを忘れていたことに気付いたのは翌日になってからだった。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Sun, 01 Aug 2021 19:57:11 +0000</pubDate><guid>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20300737</guid><dc:creator>h</dc:creator><category>寄稿</category></item><item><title>最後の取材</title><link>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20300516</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;SC初期メンカルテット。夏の成長記録をテーマに書きました。夏の風物詩インスタの後日談。モブ女視点(恋愛要素なし)。&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;p&gt;&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&lt;div&gt;　引き戸に手をかけた瞬間、ガラス窓がびりびりと震えた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「何であんな写真載せたんだ！」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　私は反射的に手を引っ込め、拳を胸に押し当てる。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「それは……すまない」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「何もそんなに怒らなくたっていいだろ？　良い写真だったじゃん、ユーキの貴重なスマイル」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「それが嫌だって言ってるんだよ！　それに、こういうのはせめて事前に一声かけるのがルールだろ」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「……申し開きのしようがない」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　一触即発の空気に、野次馬根性が押し負けそうになる。下校時間まであと一時間。暑さは和らぐ頃なのに、握った手にじっとりと汗が滲んできた。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　今まで新聞部部長としてそれなりの数のトラブルには遭ってきた。多少のいざこざの中になら入っていける自信はあった。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　高校生活最後の記事は夏の大会を終えたジャズ部へのインタビュー。小規模の音楽部だから比較的楽に終わるだろう。ジャズのことは全くわからないけれど、大人な音楽を聴きながらしんみりと取材出来るなんてエモいな、三年間頑張ってきて良かった。そんな緩みきった気持ちで現場に来た私が馬鹿だった。とんだ修羅場じゃないか。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　私は震える足を引きずり、一歩、また一歩と後ずさりした。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「しかも何だよ、夏の風物詩って。さも毎年俺が祭りに浮かれてるかのような……」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「は？　違ったのかよ」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「はあ！？」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　意識と無関係に肩が跳ねる。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「……こっちはな、大会が終わるまでずっと黙ってたんだぞ。お前みたいな単細胞と一緒にするな」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　それからは何の声もしなくなった。窓から中をこっそり伺うなんてとてもじゃないが出来ない。限界だった。私は身を翻し、階段へと走った。&lt;/div&gt;&lt;div&gt;「……すまない。最近ユウがよく笑うようになったな、と感じて嬉しかったんだ」&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　くぐもった低い声が最後に聞こえた気がした。&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Sat, 31 Jul 2021 19:40:29 +0000</pubDate><guid>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20300516</guid><dc:creator>h</dc:creator><category>寄稿</category></item><item><title>私とじゃずおん</title><link>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20516860</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;私自身の日常を小説っぽく書いたものです。じゃずおんのことを考える描写はありますが、あくまでリアルの話です。人様の生配信ネタ等を含みます。何でも許せる人向け。&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　何となく空腹感を覚えて、うつ伏せのまま上半身だけを起こした。首を捻って置き時計を見やる。深夜二時を回ったところだ。&lt;br&gt;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　スマートフォンでは美少女達が銃弾の嵐の中をオートバトルで突き進んでいる。周回数はそろそろ百二十周を越える頃だろうか。目当てのレアドロップはまだ出ない。このままだと、ワースト記録更新どころか別のステージのレアドロップ堀りが間に合わなくなる。その後には一周十時間と噂の全国ランキングが控えているというのに。残り日数を考えるとフレンドとのネタにする余裕すらなくなるかもしれない。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　頭の中に月間カレンダーを思い浮かべたが、そもそも今日が何日で何曜日だったかすら……いや、日付を跨いで今は木曜日だ。昨夜がじゃずよんだった。明日はラジオからのこはにじさんだ。もう少しだけ頑張らなくては。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　もう一台のスマートフォンで再生していたともがたりさんのアーカイブを一時停止する。両肘を支えにしないと起き上がれない。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;撮影用を兼ねた木の盆からナルミの白いマグカップを指先で吊り下げて持ち上げる。中はとっくに空になって乾き切っている。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　下まぶたがどんよりと腫れぼったくなっている気がする。重力に逆らえず上まぶたがゆるゆると落ちてくるので、時々意識してパチリとまばたきをしなければならない。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　冷蔵庫の扉を身体ごと引き、最近月二で買うようになった牛乳パックを探る。薄目しか開けられないのでぼんやりとした色形が頼りだ。カップに少し注いで浄水器の水を足す。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;食品庫の一番手前からインスタントコーヒーの袋を出し、入れっぱなしのスプーンで軽く山盛り一杯。この界隈に来る前にはあんなに飲んでいた紅茶は今や自担のシンメを想起させる特別なものになった。奥に仕舞い込んだ缶で眠っている茶葉の賞味期限は確か……まだだいぶあったはず。私は頭の中の確認すべきリストに書き込んだ。明日には忘れているだろうけれど。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ココナッツサブレ発酵バター味は最後の一袋。いよいよ夜食が底を尽きる。明日公式ラジオが終わったら即買い物に行かなくては。これも同じリストに書き加える。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　カップをレンジの中央に置き、予め出力と時間を登録しておいた短縮ボタンを押す。低い駆動音に、アサルトライフルの軽やかな銃声がかき消された。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　私は腕を組んで右手をゆるく握り人差し指を顎に当てる。カフェオレが照明で黄色く&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ん？&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　堂嶌燎がビンタに至った発端は殴り合い事件にあったのでは？&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　輝之進シナリオで彼はそれまで暴力というものに抱いていた「支配のための衝動的あるいは戦略的行為」とは全く異なる「平和的解決のための建設的強硬手段」という未知の在り方に身をもって触れたことで暴力による解決が肯定されるケースもあるのだという事実を刷り込まれたことになり性格上意識的に採用することこそなかったもののあのインビジファーストというある種の極限状態によって追い詰められ瞬間的にその潜在記憶を引き出されてしまったのではないか。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ピーッピーッ。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　クセになると感じた理由はあの時ともがたりさんでコメントを出した通りで恐らく問題は……いや、ある。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　それまで理屈と言葉という労力を尽くさなければならなかった問題解決の場面において、暴力とはたった一手で全てをひっくり返し相手の意識を揺り動かす画期的方法だ。彼はあの時驚いたはずだ。その衝撃に。咄嗟のこととはいえ暴力を振るってしまった自分に。それを痛快だと感じてしまったことに。自分自身に暴力を認める一面が存在していたという事実に。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　……と思っていたが、改めて考え直してみると憶測の域を出ない。熱で朦朧としていたからの一言の方がよほど説得力があるだろう。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　しかし、丸ごとボツにするのは惜しい。ここまで思い浮かんだのなら一旦形にしておきたい。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　とりあえず書かなくては。早くしないと忘れる。スマホ……いや手書きだ。写真に撮りさえすればどうとでもなる。最悪メモのままキャス台本行きだ。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　そう考えれば意外とアナログの方が利便性が高いのか？いや、手は疲れるし小さな字で書かない限りはフリック入力の方が速い気がする。でも小春さんは手書きの方がいいと何かでおっしゃっていたような&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ピーッピーッ。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　急いで引き返す。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　足先は冷えて感覚はとうにない。二足あるスリッパは両方ともどこかに行ってしまった。台所にあるとばかり思っていたがここにはない。小説を思いついた拍子に玄関か脱衣所に忘れてしまったのかもしれないだめだ今はそれどころじゃないすぐにでもメモしないとこれを忘れたら担当として最悪だビンタ事件は殴り合い事件レベルの案件なんだぞどんなに突拍子のない着想でも的外れな憶測でも忘れるより二億倍マシだスリッパなんてどうだっていい。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ピーッピーッ。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　泳ぐように宙を浮く足を家具に引っ掛けないように気をつけながら、不要な領収証の束に辿り着いた。ペンを取る。判読できる最小の字で走り書きしているのに――発散させる爽快感・感情の受け手に回りがち・手が出たのは衝動的・自分でも驚いている――まどろっこしくて仕方がない。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　やはり音声入力が最強なのか。以前iOSのを試した時は誤入力と誤変換が目立ってしまい却って時間がかかったけれども改善の余地はあるかもしれない。検証しないと。リストの一番下にそれも書き加える。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　そうだ、配信用のスマホ三脚を調べるのも忘れていた。日曜日に注文しよう。確かそろそろ大きめのキャッシュバックキャンペーンだったはず。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ピーッピーッ。&#xA;&lt;/div&gt;&lt;div&gt;　ピーッピーッ。&#xA;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Mon, 19 Apr 2021 15:36:23 +0000</pubDate><guid>https://smaltshobo.themedia.jp/posts/20516860</guid><dc:creator>h</dc:creator><category>寄稿</category></item></channel></rss>