メンバーに書籍みたいな二つ名を付けるとしたらこうだな、と考えたときのこと。翔琉・燎。どちらも短い。
『大事なことは全部ジャズが教えてくれた』
夕陽が沈んでいく。オレンジ色がだんだん濃くなっていく。最後のあがきみたいな光線が伸びていく。ゆらゆら揺れながら流れていく水面にその光が落ちて、きらきらと反射して星みたいになっていく。
川原へ降りる階段に腰を下ろして相棒を脇に置く。今日もよく頑張ったな。お前も俺も。
流れに沿って作られた砂の道では、ランドセルをしょった子どもたちがわあわあ声を上げながら走っていく。遠くの方の橋を車が通り過ぎていく。後ろに並んでいる家のどこかでからからと窓の開く音がする。
さみしくない。そう思えるようになったのはいつからだろう。あの頃を思い出しても痛みを覚えなくなったのはいつからだろう。知る必要のない答え。でも、きっと忘れてはいけない記憶。
明日もまた、前を向いて生きていくために。
『藍色の研究』
違う。
九回目の残響が虚しく広がっていく。
失敗は成功の元と言うのなら、この無人の空間にひたすらに積もっていくだけの棄却の中に手がかりがあるというのか。とてもじゃないが信じられない。
頭の芯が乾ききって、端からサラサラと崩れて消えてしまいそうな感覚。額に手を当てても止められない。ただ生ぬるい感触が倦怠感を悪化させるだけだった。
ため息と共に窓を開け放つ。
白いカーテンがはためいて、夜の入り口を透かす。
冷ややかな波が静かに打ち寄せて足元を浸していく。
何色ともつかないブルーが澱をさらっていく。
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